副鼻腔炎(ちくのう症)

最近、鼻が匂うなと考え事しているOL

副鼻腔炎について

副鼻腔炎(ちくのう症)とは、鼻の奥にある空気の入った骨の中に炎症が起こる病気です。副鼻腔は、鼻と喉の間にある鼻腔とつながっており、鼻の通りを良くしたり、鼻の感覚を高めたりする役割があります。副鼻腔炎は、鼻水や鼻づまり、頭痛、匂いや味の障害などです。

副鼻腔炎の原因とは?

  • ウイルス感染:風邪やインフルエンザなどのウイルスが鼻腔や副鼻腔に感染し、炎症を起こすことがあります。これが最も多い原因です。
  • 細菌感染:ウイルス感染によって副鼻腔の粘膜が傷ついたり、鼻腔との通路が詰まったりすると、細菌が繁殖しやすくなります。細菌感染によって炎症が悪化することがあります。
  • アレルギー:花粉症やほこりなどのアレルゲンに反応して、鼻腔や副鼻腔の粘膜が腫れたり、分泌物が増えたりすることがあります。これによって副鼻腔の通気が悪くなり、炎症が起こりやすくなります。

副鼻腔炎の診断の仕方とは?

  • 問診:症状や持病、アレルギーの有無などを聞きます。
  • 鼻内視鏡検査:細いカメラを鼻に入れて、鼻腔や副鼻腔の状態を直接観察します。炎症や腫れ、分泌物の量や色などを確認します。
  • 画像検査:X線やCTなどの画像検査を行って、副鼻腔の形や大きさ、通気性などを評価します。副鼻腔の構造的な異常や腫瘍などの可能性も排除します。

副鼻腔炎の分類とは?

  • 急性副鼻腔炎:症状が4週間以内に治まるものです。通常はウイルス感染が原因で、自然に回復することが多いです。
  • 慢性副鼻腔炎:症状が12週間以上続くものです。細菌感染やアレルギー、副鼻腔の構造的な問題などが原因で、治療が必要です。
  • 再発性副鼻腔炎:症状が一時的に治まった後、何度も再発するものです。免疫力の低下やアレルギーなどが原因で、予防が重要です。

副鼻腔炎の治療法とは?

  • 薬物療法:抗生物質や抗ヒスタミン剤、鼻スプレーなどの薬を用いて、炎症や感染、アレルギーなどの原因を抑えたり、症状を緩和したりします。
  • 洗浄療法:塩水や温水などを鼻に入れて、鼻腔や副鼻腔の分泌物や異物を洗い流します。これによって鼻の通りを良くしたり、炎症を和らげたりします。
  • 手術療法:薬物療法や洗浄療法で効果がない場合や、副鼻腔の構造的な問題がある場合には、手術を行うことがあります。手術では、副鼻腔と鼻腔の通路を広げたり、腫瘍やポリープなどの異常な組織を取り除いたりします。

副鼻腔炎は、放置すると重症化したり、合併症を引き起こしたりする可能性があります。症状が長く続く場合や、ひどくなる場合は、早めに医師に相談しましょう。

黄体機能不全と漢方

中医学的には、副鼻腔炎は鼻淵・脳漏、または脳滲と呼ばれます。中医学では、鼻の症状は肺や脾胃の働きと密接に関係していると考えます。肺は呼吸のほかに、水分の代謝や体表の防御にも関わります。脾胃は消化吸収の機能を持ち、気血を生成する源です。肺や脾胃の機能が低下すると、痰飲という不必要な水分や汚れが体内に溜まります。痰飲は肺に蓄積され、鼻水や痰として排出されようとします。これが副鼻腔炎の主な原因とされます。

中医学的な治療法は、原因や症状のタイプによって異なりますが、一般的には以下のような方法があります。

  • 薬物療法:漢方薬や中成薬を用いて、炎症や感染、アレルギーなどの原因を除去したり、症状を緩和したりします。漢方薬や中成薬は、個々の体質や症状に合わせて選択されます。代表的な処方は以下の通りです。
  • 鼻淵丸:ウイルス感染などにより肺に熱が侵入し、鼻詰まりや頭痛などの症状があらわれる状態です。これらは、肺に侵入した熱を冷ましてくれる働きがあり、鼻詰まりなどの症状を改善します。

養生法について

副鼻腔炎の予防や治療には、日常生活の改善も重要です。以下のような養生法を心がけましょう。

  • 食事:胃腸の働きを良くするために、消化の良い温かい食事を摂りましょう。辛いものや油っこいもの、冷たいもの、甘いものなどは避けましょう。また、水分の摂取も大切です。白湯や生姜湯などがおすすめです。
  • 睡眠:睡眠は免疫力を高めるために必要です。睡眠不足は体の抵抗力を低下させます。睡眠の質を高めるためには、就寝前にリラックスすることや、寝室の環境を整えることが大切です。
  • 運動:適度な運動は、気血の流れを良くし、体の新陳代謝を促進します。運動は、体に負担のかからないものを選びましょう。散歩やストレッチ、ヨガなどがおすすめです。
  • ストレス:ストレスは、肝胆の気の流れを滞らせ、熱を発生させます。ストレスは避けられないものですが、適切に対処することが大切です。ストレスを発散する方法は人それぞれですが、趣味や音楽、瞑想などがおすすめです。
  • 環境:副鼻腔炎は、乾燥や寒暖の差、花粉やほこりなどの刺激によって悪化することがあります。環境に気を付けることも重要です。加湿器や空気清浄器などを利用したり、マスクや帽子などを着用したりしましょう。

中医学的な治療法は、西洋医学的な治療法と併用することで、より効果的に副鼻腔炎を改善することができます。副鼻腔炎に悩んでいる方は、中医学の専門家に相談してみましょう。

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