天気痛

頭痛のOL

・天気痛とは

気圧や温度、湿度などの気象要素の変化によって、内耳の気圧センサーが過剰反応し、自律神経のバランスが乱れて様々な不調を引き起こすことです。天気痛には頭痛、めまい、肩こり、関節痛、イライラ、うつなどの症状があります。天気痛は女性に多く、特に関節リウマチや片頭痛、線維筋痛症などの慢性的な疼痛を持つ人に起こりやすいと言われています。尚、推計1000万人以上が悩んでいると言われる

・天気痛の原因

  • 気圧の変化が血管や神経に影響を与える
  • 血管が収縮したり拡張したりすることで頭痛が起こる
  • 神経が過敏になったり刺激されたりすることで関節痛が起こる
  • 低気圧や湿度の高い日は特に不調が出やすい

・天気痛の診断

  • 症状が天気や気圧の変化と一致しているかどうかを確認する
  • 頭痛日記や天気予報を参考にする
  • 他の原因(ストレス、睡眠不足、生活習慣など)を除外する
  • 専門医に相談する

・天気痛の分類

  • 頭部型:頭痛やめまいが主な症状
  • 関節型:関節痛や筋肉痛が主な症状
  • 全身型:だるさやイライラ、不安感などが主な症状

・天気痛の治療法

  • 薬物治療:頭痛薬や鎮静剤などを服用する
  • 予防法:天気予報や天気痛予報¹をチェックして事前に対策する
  • 生活改善:ストレスを減らし、睡眠を十分にとり、適度な運動をする

黒板とパンダ

中医学的なアプローチ

中医学では、自然界で起こる気象現象を「六気」といい、「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の6つに分類します。これらの気象現象が人体に影響を与えるときは「六淫」と呼ばれます。台風の場合は、「湿」が主な影響因子となります。

中医学的な治療法としては、以下のようなものがあります。

・漢方薬:体質や症状に合わせて適切な漢方薬を服用することで、自律神経のバランスを整えることができます。

代表的な漢方薬:勝湿顆粒+三七人参 (止血・活血・止痛)

ただし、漢方薬は個々の体質や症状に合わせて選ぶ必要があるため、専門家に相談することが大切です。

「風邪湿」を排出するために経絡(体内を流れるエネルギーのルート)を刺激します。例えば、「風池」(首の後ろのくぼみ)や「合谷」(手首の甲側の親指と人差し指の間)などのツボに温灸をします。温灸も漢方薬同様、個人差があるため、専門家に任せることが望ましいです。

養生法としては、「風邪湿」を避けることが重要です。具体的には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 気圧や温度の変化に合わせて服装を調整し、体温を一定に保つ。
  • 湿度が高い日や雨の日は外出を控えるか、傘やレインコートなどで身体を守る。
  • 風呂で温まったり、温湿布やカイロなどで関節や筋肉を温める。
  • 暖かくて乾燥した部屋で過ごす。
  • 水分や塩分の補給を忘れない。
  • ストレスを溜めないようにする。
  • 睡眠を十分にとる。

白衣を着たパンダ

自分を大切にできない人はお仕置きパンダ!!

「天気の変化によって頭痛や肩こり、だるさなどの不調が起きるが、周囲に訴えても信じてもらえない!」などのご相談が少なくありません。実は天気痛に悩む人は多く、日本では約4割の人が自覚しているという調査結果があります。天気痛は気象要素だけでなく、体質や生活習慣、心理的な要因なども関係しています。天気痛に対処するには、西洋医学的な治療法だけでなく、中医学的な治療法や自己管理法も併用することが効果的です。天気痛は予防が難しいため、自分の体の変化に敏感になり、適切な対策をとることが大切です。先ずは一旦立ちどまり、自分自身を大切にし、労わる事から始めましょう。

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