正常眼圧緑内障について
正常眼圧緑内障(NTG)とは
正常眼圧緑内障(NTG)は、眼圧が正常範囲内(10~21 mmHg)にもかかわらず、視神経がダメージを受け、視野が欠損する緑内障の一種です。
正常眼圧緑内障の症状は?
- 初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期検診が重要です。
- 進行すると視野が徐々に欠け、特に中心部以外で異常が現れやすいです。
- 放置すると視野狭窄が進行し、最悪の場合失明のリスクもあります。
正常眼圧緑内障の原因は?
- 明確な原因は不明ですが、以下の要因が関連すると考えられています:
- 視神経の血流障害
- 遺伝的要因
- 頭蓋内圧の異常
- 高齢や近視
正常眼圧緑内障の診断の仕方は?
- 視野検査:視野欠損の範囲と進行状況を確認します。
- 眼底検査:視神経乳頭の損傷を確認します。
- 光干渉断層計(OCT):網膜神経線維層の厚みを測定します。
- 眼圧測定:眼圧が正常範囲でも緑内障を否定できません。
正常眼圧緑内障の診断の分類は?
- 原発性正常眼圧緑内障:明確な原因が見つからない場合。
- 続発性正常眼圧緑内障:特定の疾患や外傷が原因の場合。
正常眼圧緑内障の治療法は?
- 薬物療法
- 眼圧を低下させる点眼薬(プロスタグランジン系、β遮断薬など)を使用。
- 血流改善を目的とした内服薬やサプリメントの併用も検討されます。
- レーザー治療
- レーザー繊維柱帯形成術(SLT)により眼圧を下げることが可能です。
- 外科手術
- 薬物療法やレーザー治療で効果が不十分な場合、眼内手術(線維柱帯切除術など)が選択されます。
- 生活習慣の改善
- 血流を促進するために適度な運動や禁煙を推奨。
- 栄養バランスを考えた食生活を取り入れることが重要です。
まとめ
- 正常眼圧緑内障は、早期発見が視力維持の鍵となります。
- 定期的な眼科検診を受け、視野の変化や違和感を感じた際にはすぐに専門医に相談しましょう。
◆正常眼圧緑内障を中医学的なアプローチ
正常眼圧緑内障(NTG)は中医学的な観点でも対処可能です。中医学では、体全体の調和を重視し、症状の改善だけでなく、原因の根本治療を目指します。中医学的療法、代表処方、養生法、さらに役に立つ話を詳しく解説します。
◆中医学では、正常眼圧緑内障を「肝腎不足」や「気血の滞り」と関連づけて考えます。主に以下の方法を用います:
- 補肝腎療法:肝腎を補い、視神経を保護する。
- 活血化瘀療法:血流を促進し、滞りを改善することで眼周囲の血流を向上させる。
- 清熱養陰療法:炎症を抑え、目の乾燥を防ぐ。
- 健脾益気療法:消化器官を強化し、全身の気力を高めて体力を補う。
◆中医学的な代表処方
- 以下は正常眼圧緑内障に用いられる活血補腎(かっけつほじん)の代表的な漢方処方です:
- イスクラ杞菊地黄丸(こぎくじおうがん):肝腎を補い、視力低下を防ぐ効果が期待できます。
- イスクラ冠元顆粒(かんげんかりゅう):血流を促進し、瘀血(血の滞り)を解消するために使用。
- イスクラ天王補心丹T(てんのうほしんたん):視神経の炎症を抑え、精神安定を促します。
- イスクラ参馬補腎丸(じんばほじんがん):高齢者の慢性的な腎虚症状に適応し、体全体の元気を補います。
◆中医学的な養生法
- 中医学では日々の生活習慣の改善が非常に重要です。以下のポイントを参考にしてください:
- 目を酷使しない:長時間のパソコンやスマートフォンの使用を控え、定期的に目を休める。
- 食事に気をつける:肝臓と腎臓を養う食材(黒ゴマ、クコの実、ほうれん草、魚類)を積極的に摂取。
- 適度な運動:血流を促進するためにウォーキングやストレッチを取り入れる。
- 十分な睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠を心がける。
◆中医学的な役に立つ話
- 日々のケアで改善可能:中医学の考え方では、病気を未然に防ぐ「治未病」が重要とされます。正常眼圧緑内障も早期発見と日々の調整で進行を防ぐことが可能です。
- 心身の調和を重視:ストレスが原因で気血の滞りが生じる場合もあります。瞑想など、リラックスできる方法を取り入れると良いでしょう。
- 継続が鍵:中医学は即効性よりも長期的な効果を重視します。日々の養生と漢方を根気よく続けることが重要です。
◆まとめ
- 正常眼圧緑内障は中医学的アプローチによって改善や進行抑制が可能です。
- 漢方薬の利用と養生法を組み合わせ、日々の生活を整えながら目の健康を守りましょう。
- 視界を守るため、早めの相談と継続的なケアを心がけてください!
漢方薬の服用をご希望される場合、その方の体質によって種類が異なることがありますので漢方薬局でご相談ください。