LUF(黄体化未破裂卵胞)

LUF(黄体化未破裂卵胞)で悩む女性

LUF(黄体化未破裂卵胞)とは?

LUF(黄体化未破裂卵胞)とは、排卵が起こらずに卵胞が肥大化した状態のことです。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の症状とは?

LUFの主な症状は、月経不順や基礎体温の上昇です。LUFでは卵胞が黄体化するため、黄体ホルモンが分泌されて基礎体温が高くなります。しかし、排卵が起こらないため、妊娠することはできません。また、卵胞が大きくなると、卵巣やその周辺の組織に圧力をかけて下腹部の痛みを引き起こす可能性があります。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の原因とは?

LUFの原因は、排卵を促すホルモンのバランスの乱れや卵胞壁の硬さによるものと考えられています。ホルモンのバランスが乱れる要因としては、ストレス生活習慣の変化内分泌系の疾患などが挙げられます。卵胞壁が硬いと、卵胞が破裂するまでに時間がかかったり、破裂しなかったりすることがあります。また、卵巣周囲の癒着や子宮内膜症などによっても、卵胞の破裂が妨げられることがあります。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の診断の仕方とは?

LUFの診断は、主に超音波検査で行われます。超音波検査では、排卵前後に卵巣に直径20mm以上の円形または楕円形の液体で満たされた卵胞が見られる場合に、LUFと診断されます。また、血液検査でホルモン値や白血球数などを測定することで、排卵の有無や合併症の有無を確認することもできます。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の分類とは?

LUFは、その成因や性質によって以下のように分類されます。

・機能性LUF:ホルモンバランスの乱れによって生じるもので、自然に消退することが多いです。
・非機能性LUF:先天的な異常や外傷などによって生じるもので、自然に消退しないことが多いです。
・出血性LUF:卵胞内部に出血が起こるもので、割れると急性腹膜炎のような重篤な合併症を起こす可能性があります。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の治療法とは

LUFの治療法は、その大きさや種類、合併症の有無などによって異なります。一般的には以下のような方法が用いられます。

・経過観察:小さくて無症候性のLUFは、自然に消退する可能性が高いため、定期的な超音波検査で経過を観察します。
・内服治療:ホルモンバランスを整えるために、ピルやプロゲステロン剤などの内服薬を処方します。これにより、卵胞の縮小や月経の調整が期待できます。
・手術治療:大きくて症状があるLUFや、出血性LUFは、手術で切除する必要があります。手術方法としては、腹腔鏡や開腹手術などがあります。手術後は、再発予防のために内服治療を続けることが推奨されます。
・体外受精:LUFが繰り返し起こる場合や、他の不妊因子がある場合は、体外受精を検討することもあります。体外受精では、卵胞から卵子を採取して体外で受精させるため、LUFの影響を受けません。

※適切な治療で症状をコントロールすることが可能です。LUFに悩む女性は、早めに専門医に相談しましょう!可能であれば中医学的療法も併用する事をおすすめします。

LUF(黄体化未破裂卵胞)と漢方

LUF(黄体化未破裂卵胞)の中医学的療法

中医学では、LUFの原因は主に以下の三つと考えます。
瘀血タイプ:気と血の巡りが滞って卵胞が破裂しないこと。
痰湿タイプ:水分代謝が低下して余分な水分や老廃物が体内に溜まること。
腎虚タイプ:腎の力が低下してホルモンバランスが乱れること。

中医学的療法は、これらの原因に応じて、気血を活性化し、痰湿を除去し、腎を補って精を培うことを目的とします。また、体質や症状に合わせて、他の臓器のバランスも調整します。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の代表処方

中医学では、LUFの治療に用いられる代表的な漢方薬は以下のようなものがあります12。
気滞血瘀タイプ:冠元顆粒(かんげんかりゅう)、水快宝(すいかいほう)、爽月宝(そうげつほう)など
痰湿タイプ:シベリア霊芝(チャガ)、温胆湯(うんたんとう)、二至丹(にしたん)など
腎虚タイプ:杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

これらの漢方薬は、単体で用いる場合もあれば、組み合わせて用いる場合もあります。また、個々の患者さんの体質や症状に応じて、加減や変方する場合もあります。漢方薬は専門の薬剤師に相談して適切な処方を受けることが大切です。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の養生法

中医学では、LUFの予防や改善には、養生法も重要です。養生法とは、日常生活で気を付けるべきことや行うべきことを指します。LUFに有効な養生法は以下のようなものがあります。

睡眠:睡眠はホルモンバランスを整えるために必要です。毎日7~8時間程度の睡眠を心がけましょう。寝る前にスマホやテレビなどの刺激を避けることも大切です。
食事:食事は体内の水分代謝やエネルギー生成に影響します。バランスの良い食事を摂りましょう。特に、暖かくて消化の良いものを選びましょう。冷たいものや油っこいもの、甘いもの、辛いものなどは控えましょう。
運動:運動は気血の巡りを良くするために有効です。適度な運動を習慣にしましょう。特に、腹部や骨盤周りの筋肉を鍛えることがおすすめです。ただし、激しい運動は逆効果になることもあるので注意しましょう。
温める:体を温めることは血行を促進し、瘀血や痰湿を解消するために効果的です。特に、腹部や下半身を冷やさないようにしましょう。お風呂や湯たんぽ、カイロなどを利用することもおすすめです。
ストレス:ストレスはホルモンバランスを乱す原因になります。ストレスを溜めないようにしましょう。リラックスできる趣味や娯楽を楽しむことも大切です。また、悩みや不安を抱え込まずに、信頼できる人に相談することも助けになります。

LUF(黄体化未破裂卵胞)の方に役に立つ話

LUFは、誰でも起こり得る現象であり、生理周期や体調によって起こったり起こらなかったりすることがあります。つまり、体質や体のバランスを整えることで改善される可能性が高いということです。LUFは、早期に対処すれば排卵が回復することもあります。また、LUFが原因で不妊になっている場合でも、中医学的療法や養生法を行うことで妊娠率が向上することが報告されています。LUFは、治療可能な疾患であり、妊娠可能な疾患であるということを知っておくことが大切です。

以上が、LUF(黄体化未破裂卵胞)についての中医学的な見方と対策です。LUF(黄体化未破裂卵胞)は体の不調のサインなので、無視せずに自分の体質に合った方法でケアしていきましょう。

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